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2010年3月 1日 (月)

レストア日記2009 2SK77ユニットの整備

B-Iの心臓部であるこのユニットには2SK77という大きな静電誘導トランジスタ(SIT)実装されています。

YAMAHAの星十郎氏によると、B-Iのプロトタイプ発表の際の無線と実験誌の記事において、「終段をシングルプッシュプルで150Wを得る設計となっており、これはパワーFETの設計に入るときからの基本的考え。また、純コンプリメンタリ回路方式も採用しない」と述べられています。

そう考えた理由を、次のように述べられています。

noteパラにするとトランジスタの諸特性が良く合っていないとアイドル電流のアンバランスや歪などの点で不利になる場合が多い。

noteFETは原理上トランジスタに比べてアイドリングのバランスをとることが困難で、特に終段は複雑なインピーダンス変化を示すスピーカを直接駆動するところで音質に微妙に影響する。

noteN-chとP-chのFETを使用した純コンプリメンタリ回路を採用した場合、入力容量や出力特性、伝達特性などのあらゆる特性を全ての動作条件で良く合わせることは現時点で困難。

noteN-ch同士でも2個ペアで厳密に選ぶことは困難なのに2個以上4個5個と揃えるのはどんなに大変なことか。

note素材の対称性、回路の対称性を最重視して各増幅段を構成した。

誠に極めて素晴らしい考え方で、それが35年も前に考えられ商品化されていたことに驚嘆いたします。

また、驚かされるのは、上記の通りB-Iの仕様が先に決められ、それに合わせて終段の素子の設計・開発が行われていることで、今では考えられないことですね。sign03 今同じことをやったら1台あたり数百万円のアンプになるでしょう。

ついつい、横道にそれてしまいました。

このユニットの2SK77は残念ながら片チャンネルの2個が焼損してましたので交換しました。電源基板のバイポーラトランジスタの焼損が引き金となったようです。

正常な方も一旦全てを取り外してシリコングリスを塗布して再取り付けします。

2sk77

2sk77_2

それぞれの写真の上段が整備前、下段が整備後です。写真のとおり、整備前は毛布を被ったように綿ホコリが付着してます。これでは十分な放熱が出来ません。しかし、長年整備していない普通のB-Iのほとんどはこのような状態です。

また、シリコングリスは固化してしまっており、触るとポロポロと落ちてしまいます。放熱性能は極めて低下していたものと思われます。バイポーラトランジスタだと熱暴走してすぐに昇天してしまうかも。SITは原理的に熱暴走しない点もいいですね。

ついでに高耐圧のセラミックコン、抵抗器も交換しました。

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コメント

ご本尊ですね。 何回見てもその威圧感というか迫力は半導体とは思えませんね。 素晴らしい。 情熱が昇華して詰まってるご本尊です。

ホコリを被ったご本尊は掃除をせねばなりません。happy01
それもハタキでは駄目です。
拝んだ上で、分解して綺麗にしなければならないのです。happy01

What is it that you do there? You replace 2sk77 with custom SIT circuit? Details please!! (^_^)

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