レストア日記2009 Feed

2010年4月 6日 (火)

悩んで悩んでお譲りすることに...

レストア日記2009は如何でしたか?

レストア完了後、3か月程度が経ちますが、ケミコン類をはじめ、部品類のエージングも進み元々の押しのある音に加えて角が取れた大変聞きやすい音になってきたと感じています。(あくまで主観ですが)

家族がいないときは音量を上げて聞いていますが、大音量の場合はB-Ⅰの本領発揮という感じで能率の低いスピーカも難なくドライブできているのが分かります。

ところで、我が家には他の不動のB-Ⅰと今回のレストア機、及び部品や測定器類が和室を占領し家族の大顰蹙をかっています。なんとかしないと和室に入れません。要するに足の踏み場もないという状況crying

で、このレストア機をどうしようかずっと悩んだのですが、B-Ⅰに興味のある方にお譲りしようと思っています。

3か月の保証を付けて、価格を295,000円に設定致します。

もし、今週10日(土)までにお申し出が無ければオークション上で299,800円で出品します。

私としては、できれば殺伐としたオークションの場ではなくて、購入の意思のある方とちゃんとコミュニケーションをとってB-Ⅰ・UC-Ⅰを嫁に出したいのです。

では、このB-Ⅰを総括しますと、レストアで新品にした部品総数が383点sign03です。

以下、その内訳です。

IC:2個
トランジスタ(FET):7個
トランジスタ(バイポーラ):128個
ダイオード:33個
固定抵抗:79個
半固定抵抗:12個
ケミコン、タンタルコン:49個
フィルムコン、セラミックコン:61個
リレー6個
その他:6点(スイッチ、豆球)

不良箇所を確定した上でこれらを交換し、最終調整に動作試験、特性の測定まで行いました。ブログ記事にも書いているとおり基板の洗浄や内部の清掃も行っています。

部品を新品に替えれば、その初期不良が想定されますが、完了後の3か月間では特に問題は発生していません。あと3か月は様子を見る必要があるという意味で3か月の保証を付けたいと思います。(ただし、内部に手をを入れないという条件だけは付けさせて下さい)

もちろん、その後に不調が発生した場合も相談に乗らさせて頂きます。

ちなみに、上記の価格ですが私はレストアが本業ではなく趣味でやっていますので技術料とかは含んでいません。
もし含めるとなるとレストアに要した時間が100時間以上になるので、仮にコンビニのバイト代で計算したとしてもトンデモナイ価格になってしまいます。しかし、上記の価格を下げると持ち出しになってしまいます。coldsweats02

このB-Ⅰの目玉は、もうおわかりですよね。

①初段のYAMAHAのFETであるYJ1200がオリジナルと同じ新品であること

②最近故障が増加傾向にある終段電源用ケミコンが新品であること

です!

レストアの内容はこのブログを読んでみて頂ければと思いますが、外観とかの説明が若干不足気味でしたので、以下に説明を加えます。

Photo

古いシリアル番号にしては比較的綺麗な方だと思います。

しかし、UC-Ⅰの左側角の上下に当り傷、B-Ⅰ本体の上面の左右角に細かい傷、ボリュームの1つに小さなあたりがあります。

Photo_2

Photo_3

Photo_4

Photo_5背面にコンセントのあるタイプです

お譲りするのは、B-Ⅰ本体とUC-Ⅰ。それに測定結果グラフ、B-ⅠカタログとB-Ⅰ取扱説明書のコピーです。B-Ⅰ本体には3ヶ月の動作保証を付けます。

では、ご連絡お待ちいたしております。

2010年4月 1日 (木)

レストア日記2009(完) ドキドキ測定

レストア日記2009を表題どおり2009年度中に書き終える目標でしたが、1日ずれ込んでしまいました。wobbly

レストアの完成後は早速測定です。楽しみでもあり、ちょっとドキドキheart01する測定です。

測定する際は所有しているDALE製6Ω150Wの純抵抗を擬似負荷(ダミーロード)としてスピーカ端子に接続して行います。B-Ⅰにとっては、8Ωより更に電流供給能力を試される厳しい負荷条件です。

レストア前より特性が劣化していると当然ながらガッカリするものですが、早速結果を紹介しましょう。

擬似負荷は6Ω純抵抗ですので、0.1W時は擬似負荷の両端に実効値で0.77V、150W時は30Vの電圧が現れますので、その時の歪率を測定します。

【右チャンネル】
           100Hz      1kHz      10kHz       20kHz

0.1W      0.020%    0.021%    0.021%    0.019%

1.0W      0.004%    0.005%    0.008%    0.007%

10W      0.005%    0.005%    0.013%    0.014%

75W      0.007%    0.007%    0.024%    0.018%

150W      0.011%    0.012%    0.025%    0.019%

【左チャンネル】

         100Hz     1kHz      10kHz     20kHz

0.1W      0.013%    0.014%    0.015%    0.014%

1.0W      0.007%    0.008%    0.006%    0.006%

10W      0.006%    0.012%    0.026%    0.015%

75W      0.021%    0.024%    0.048%    0.031%

150W      0.030%    0.027%    0.048%    0.034%

右チャンネルは初段FETのYJ1200交換後に大きく歪率が改善しました。交換前は0.1%近かったのですが。

概ね良好な値で安心しました。

もちろん、交流バランス(普通のアンプには無い調整です)とバイアス電流を何度も調整し、歪率が最良となるようにします。

150W時も75W時と比較して歪率はあまり変わりません。

ということはもっと出力が出るかも。

じゃぁ、このB-Ⅰはどの程度まで出力が出せるのかな??

とりあえず、やってみました。

左チャンネルが1kHz正弦波実効値で37~38V、右チャンネルが38V出ましたので230-240Wの電力を擬似負荷に叩き込んでいることになります。もちろん歪率悪化前の値です。

素子をパラにしていないシングルプッシュでの実力としては驚異的ですsign03

いやはや、B-Ⅰ君、スゴすぎheart02

その時のUC-Ⅰ表示と、クリップし始めたとき(歪率:1.0~2.0%)の波形写真を掲載します。

Photo

Photo

この状態だと、擬似負荷の容量を大きくオーバーしますし、負荷電流も5Aを超えますので短時間の試験になります。ただし、150W出力については連続30分の試験をしておきました。

周波数特性ですが、-3dBとなる帯域(注)は、おおよそ4Hz~150kHzといったところですが、低域は測定器の限界かもしれません。

注:電力出力レベルの基準を0dBとした場合、出力が半分となる周波数帯域です。  -10dBの場合は1/10、

 -20dBの場合は1/100となります。  ちなみに、電圧の場合は「-6dB」が半分となる電圧です。

これでレストア日記2009を終わります。

2010年3月30日 (火)

レストア日記2009 UC-Ⅰの整備

B-Ⅰ本体の整備が終わったので、UC-Ⅰを整備します。

30年経過したUC-Ⅰで間違いなく劣化しているのは、LEDを前面パネルに押さえつけているウレタンスポンジでしょう。下の写真のようにボロボロになっていて、前面からLEDが落ちたような状態になっているはずです。wobbly

照明用豆球は切れていませんが、近々切れる可能性も高いので指定された定格の新品豆球に交換しておきます。

Ucled 劣化したスポンジと交換する豆球(メータの下の4個)

上記のLED基板は、放置すると基板の電源端子部分がシャーシと接触ショートし、B-Ⅰ本体側も故障する可能性があります。よ

って放置はできませんので、この現象のある方(殆どが該当すると思います)は早めに修理してもらうことをお勧めします。happy01

最初は前面パネルにLEDを接着しようとも思いましたが、オリジナルに忠実に新しいウレタンスポンジにて同様にLEDを前面パネルに押さえつけました。

下の写真が交換後です。

Ucled_2

UC-Ⅰの接点も音楽信号が通りますので軽く磨いておきます。

Uci

回路部分については、過去、メータ回路用トランジスタの不良(ノイズ発生)により入力が無い場合もメータが若干振れてしまう不具合がありましたので、念のために全てのIC、トランジスタ、コンデンサの交換を行いました。

Uc 使用半導体

TA7129は、B-Ⅰ,UC-Ⅰで使用される唯一のICです。入手は難しいのですが手持ちの新品がありますので、それに交換します。このICは対数アンプ用に使用されており、トランジスタと抵抗から成るシンプルな構成の比較的初期のICです。

Uc_2 基板整備後

UC-Ⅰは、擬似負荷を接続した状態で1W,10W,150Wの3点で調整するようになっています。

UC-Ⅰの出力表示は8Ωの負荷を接続した場合のその両端に発生する電圧を内部の対数アンプで対数圧縮して表示する仕組みです。よって、擬似負荷には8Ωの抵抗を接続して調整しなければなりませんが、私の持っている擬似負荷は6Ωですので、75Wの表示の場合は実際は100Wが出力されていることになってしまいます。従って、調整の際は8Ω換算した表示値とする必要があります。

この回路で交換した部品は以下の写真の通りです。メータ照明用豆球も含めて合計43個です。全て新品に交換しています。

Uc

2010年3月21日 (日)

レストア日記2009 筐体取り付け部品の整備

3月前半は、ある方から依頼を受けたB-Ⅰの修理を行ってました。今まで経験したことの無い箇所の故障が数点あり、大変良い経験をしました。ご依頼者の了解も得ましたので、このシリーズが終わったら紹介したいと思います。happy01

前回までは、基板上の回路や、ユニットになっている部分の整備状況について紹介しましたが、今回はそれ以外の部分になります。

1点目は-200V電源平滑用ケミコンで、正面から見て左側奥に取り付けられています。

整備する前は、ケミコンのカバーの頭が経年による割れのため、接着剤でくっつけられてました。

Cew

オリジナルのケミコンである日本ケミコン社のCEWタイプは既にカタログから落ちているようで、入手はできませんが、入手できたお友達から譲っていただきました。

最近のケミコンは相当小型化されており、大きさが合わなかったりしますが、今回はオリジナルと同じCEW型ですので問題ありません。技術の進歩により、長さが若干短くなった程度です。太さが変わると取り付け時に困りますが長さが若干短くなる程度は問題ありません。

Cew_2

2点目はOMRONの出力用リレーの交換です。

このリレーは密閉型ではありませんので、接点の酸化が進んでいるケースがとても多いです。古いものはアクリルの部分が黄色く変色してますのですぐに分かります。

今回は、5個全て新品に交換します。このまま放置すると歪率が劣化して確実に音が濁ります。誰が聞いても分かるくらいです。

このリレーは入力のフィルタ回路で使われているリレーと違い、B-Iのオリジナル部品の中で現在も販売されている数少ない部品の一つです。

ただし、1個あたりの価格は高くなってしまいました。1000円くらいしますので、この部分だけでも5000円します。でも新品のリレーに替える効果は大きいですよ。

使用していない2~5番目のリレーと交換すれば良いという考えもありますが、このタイプのリレーは適度にスイッチが入ったり切れたりしていることが接点不良防止のために必要です。長い間使用されていないと空気中の酸素や微量の硫化水素により酸化などが発生します。

よって、使っていないリレーと交換しても良い結果が得られないケースは多いのです。従ってプロ用機器では使用頻度の低い他部位のリレーと交換するようなことは絶対にしません。それは、古いリレーをだましだまし使うことが早晩サービスに支障を及ぼすことが分かっているためです。

従って、リレーは新品にするのが唯一の正解です。

Dsc07772

↑高い透明度の新品リレー5個。右側は-200V電源用の新品CEWケミコンです。

3点目は終段電源整流用ブリッジの交換です。

この整流用ブリッジは割と丈夫だと思いますが、過去に1度だけ不良がありました。

今回は最新のパナソニックの最新のケミコンに交換しましたが、従来のものより高性能であり突入電流もこれまでより大きくなると思われます。

したがって、オリジナルでは400V25Aのものが使用されていますが、お友達から譲って頂いた容量の大きい600V35Aのものを使用しています。

Photo

終段ケミコン、-200V電源用ケミコン、スピーカリレー、整流ブリッジ、電源スイッチ回路で交換した部品は以下の写真の通りです。合計19個です。全て新品に交換しています。

Sw

2010年3月 1日 (月)

レストア日記2009 2SK77ユニットの整備

B-Iの心臓部であるこのユニットには2SK77という大きな静電誘導トランジスタ(SIT)実装されています。

YAMAHAの星十郎氏によると、B-Iのプロトタイプ発表の際の無線と実験誌の記事において、「終段をシングルプッシュプルで150Wを得る設計となっており、これはパワーFETの設計に入るときからの基本的考え。また、純コンプリメンタリ回路方式も採用しない」と述べられています。

そう考えた理由を、次のように述べられています。

noteパラにするとトランジスタの諸特性が良く合っていないとアイドル電流のアンバランスや歪などの点で不利になる場合が多い。

noteFETは原理上トランジスタに比べてアイドリングのバランスをとることが困難で、特に終段は複雑なインピーダンス変化を示すスピーカを直接駆動するところで音質に微妙に影響する。

noteN-chとP-chのFETを使用した純コンプリメンタリ回路を採用した場合、入力容量や出力特性、伝達特性などのあらゆる特性を全ての動作条件で良く合わせることは現時点で困難。

noteN-ch同士でも2個ペアで厳密に選ぶことは困難なのに2個以上4個5個と揃えるのはどんなに大変なことか。

note素材の対称性、回路の対称性を最重視して各増幅段を構成した。

誠に極めて素晴らしい考え方で、それが35年も前に考えられ商品化されていたことに驚嘆いたします。

また、驚かされるのは、上記の通りB-Iの仕様が先に決められ、それに合わせて終段の素子の設計・開発が行われていることで、今では考えられないことですね。sign03 今同じことをやったら1台あたり数百万円のアンプになるでしょう。

ついつい、横道にそれてしまいました。

このユニットの2SK77は残念ながら片チャンネルの2個が焼損してましたので交換しました。電源基板のバイポーラトランジスタの焼損が引き金となったようです。

正常な方も一旦全てを取り外してシリコングリスを塗布して再取り付けします。

2sk77

2sk77_2

それぞれの写真の上段が整備前、下段が整備後です。写真のとおり、整備前は毛布を被ったように綿ホコリが付着してます。これでは十分な放熱が出来ません。しかし、長年整備していない普通のB-Iのほとんどはこのような状態です。

また、シリコングリスは固化してしまっており、触るとポロポロと落ちてしまいます。放熱性能は極めて低下していたものと思われます。バイポーラトランジスタだと熱暴走してすぐに昇天してしまうかも。SITは原理的に熱暴走しない点もいいですね。

ついでに高耐圧のセラミックコン、抵抗器も交換しました。

2010年2月28日 (日)

レストア日記2009 電源スイッチ回路

さて、下の写真の基板はどこに実装されているでしょう?

Sw

この基板は裏面を開けても見ることはできません。電源ケミコンのカバーを開けると見ることができます。

B-Iでは、前面の小さなスイッチで2台の大きなトランスの電源をON/OFFしているのではなく、この回路が制御するOMRON製の大きなリレーでトランスの電源をON/OFFしています。

従って、この回路が不調となると「電源が入らない」とか、「電源は入るけど切れない」と言った不具合が発生します。

今回は全ての部品を交換し、パターン面も洗浄しました。こんな回路に使用するのはもったいないのですが、手持ちが無かったのでケミコンはミューズを使用しています。

Sw_2

かなり綺麗shineになったと思います。

元々が無線技術屋で、大電力短波送信機の高周波回路等の整備をしていたせいか、どうしても外観よりこのような見えない所に力が入ってしまいます。coldsweats01

2010年2月19日 (金)

レストア日記2009 大きなケミコンの交換

さて、問題の大きなケミコンの交換です。

これまで何度も指摘していますが、既に30年以上経過したアンプですので、このケミコンが初期の性能を保ったままで正常動作しているものは皆無だと言えます。

元々付いていたケミコンは片側の端子から液漏れした跡があり、リークもかなりあったため、充電後1分もすれば放電してしまう有様でした。それでも一応動作はしていたのです。wobbly

YAMAHAには当然このケミコンの保守用部品はありませんし、同一品または類似品も市販はされていません。crying

じゃあ、B-Iを延命させるには、あの狭いスペースに収まるケミコンユニットを作るしかないってことになってしまいます。

で、今回も作ってしまいました。これで4ユニット目です。

最初の2ユニットは日本ケミコン製のケミコンをトータル16個使用したものでしたが、3ユニット目と今回はパナソニック製のケミコンを4個使用したものです。B-Iのオリジナルは松下製ですので、基本的に同じメーカってことになりますねheart01

しかし、このケミコンも既にディスコンになっているようで入手できなくなってしまいましたが、幸い販売中止直前に一定数確保できました。

このパナソニック製ケミコンの規格は、

dog 耐圧と容量:100V15,000μF

dog 動作温度:-40℃~+85℃

dog リプル電流:85℃において10A(オリジナルは5A)

dog リーク電流:最大3.7mA(オリジナルは、5mA以下)

dog 寿命:3000時間

と規定されています。

なお、製造は米国ですので信頼できると思います。

今回でケミコンユニット製作は4ユニット目ですが、1つとして同じものはありません。それは、毎回改良を加えているためです。

今回の改良点は、内部配線の線材の強化です。

使用した線材は、0.32mm×45本撚り線の導体外形2.5mmのもので、許容電流39アンペアの太い国産の線材です。

Photo 端子をかしめて半田を流し込みます

Photo_2

ケミコンを載せるガラスエポキシ基板で、エッチング後、穴あけ途中のものです。ケミコンは5端子(内、1端子は遊び)ですので、ケミコン1個あたり5個の穴が必要です。

Photo_3 完成後

Photo 側面のパターン面

上の写真が組み上げ後です。かなりコンパクトに仕上がり、構造も比較的シンプルです。配線材はビニール被服ですが、安全のためにガラス繊維の白いチューブを配線材全体に被せています。

また、ガラスエポキシ基板上のスペースを活用し、下の写真のとおり2.2μFのフィルムコンデンサもケミコンに並列に接続しました。

Photo_4

ケミコンは基板に接着させ、頭同士も接着していますので、ユニットの歪も生じにくく、大変しっかりとした造りになりました。(自画自賛coldsweats01

これを元のケミコンユニットの位置へ実装します。本体への干渉はありませんし、当然ながら本体の加工も不必要です。happy01

2010年2月16日 (火)

レストア日記2009 ドライバ回路その2

YJ1200交換後の写真を紹介します。

Yj1200

新品になったYJ1200が写真左端に写っています。毛布のようにホコリを被っていたFETも一旦外して磨いてます。また、バイポーラトランジスタも全て新品になりました。

問題のある海外のM社製トランジスタは、YAMAHAも推奨する国産のトランジスタと同じ型番のものに交換します。

また、2SA763も交換します。同一メーカ(新日本無線)の同一規格のもので、メタルキャンタイプの2SA620に交換します。写真の中ほどの丸い銀色の頭で金色の足を持つトランジスタです。同一規格ですが、ジャンクション温度の最大定格は175度となっており、2SA763より高いです。

前のブログで説明したとおり、半固定抵抗も抵抗値が変化していますのでBIAS調整用以外はコパルのRJ-13Sに、BIAS調整用は巻線タイプのλ-13Sのそれぞれ新品に交換します。

固定抵抗は全部は交換していませんが、以前のブログで説明したとおりこの基板にも電力容量が不足する抵抗器があります。通常は計算した必要電力容量の2倍以上の抵抗器を使用する必要がありますが、一部抵抗器では、計算したところ0.2W以上の電力損失が与えられる部分に許容電力容量が0.25Wの抵抗が使用されています。B-Iは、筐体内部の温度が高くなる(特に夏場)ため、許容電力は更に小さくなるはずですが....coldsweats02

従って、本来なら0.5W以上の抵抗器が使用されるべきでしょう。確認してみたところ実際5%以上抵抗値が変化していました。よって、これらは必ず容量の大きい新品にしておく必要があります。

酸化金属抵抗は抵抗値の大きな変化はありませんでしたが、高熱を発するため念のため全数交換します。

2SK75を使用した2SK77のドライブ回路はソースフォロアによるドライブ回路となっています。2SK75のソースはインピーダンスの高い定電流回路となっているのでドレイン接地、即ちソースフォロア回路となります。

この定電流回路は、2SK75のばらつきに影響されず終段の直流動作点を設計値にピタッと安定させるため極めて重要な回路です。そのため、信頼性の高いDALEの巻線抵抗RS-2Bを使用しています。

また、2SK77のゲートに直結している抵抗には低歪率で定評のあるDALEのCMF55を使用しています。(下の写真をご参照ください)

Dale

写真上方の2個の黒い抵抗がDALEのRS-2B、手前のピンク色の抵抗がDALEのCMF55です。写っている2つのトランジスタはオリジナルと同じ物の新品です。これも既に入手困難です。

また、抵抗器に被せてあるのガラス繊維製チューブも茶色に変色してますので、純白の新品shineに交換しました。これで基板の見た目も一層綺麗になります。

基板のパターン面はフラックスが劣化し大変汚い状態となっています。このB-Ⅰだけでなく、30年経過したB-Ⅰのほとんどがこのような状態と思っていただいて構いません。洗浄する前と後の写真は以下の通りです。比較してみてください。

Photo

少なくとも私がかつて保守していた通信事業用の大電力送信機では上のような基板の状態のものを継続使用することはありませんでした。基板はおろか、大小のコイル一本一本を無水アルコールで洗浄して商用に供していたものです。放置すると激しいスパークの元となり、重要通信に支障を与えるためです。

この回路で交換した部品は以下の写真の通りです。白いチューブを除き合計64個です。全て新品に交換しています。

Photo

2010年2月14日 (日)

レストア日記2009 ドライバ回路その1

以前のブログで紹介したとおり、昨年の4月にドライバ回路の初段のFETであるYAMAHAオリジナルのYJ1200が奇跡的に入手できました。

http://vfet.blog.bbiq.jp/blog/2009/04/index.html

http://vfet.blog.bbiq.jp/blog/2009/05/yj-12002-43e0.html

このFETが新品になるということは2つの利点があります。

1点目はノイズや歪の改善の可能性があることです。

昨年、お友達のB-Iを整備した際には、このFETを試しに交換しました。結果、高出力域の歪率が大幅にが改善しました。http://vfet.blog.bbiq.jp/blog/2009/08/post-3ace.html

2点目は、今後当分の間は初段の経年劣化による問題が回避できることです。

恐らく、もうYJ1200を新品で入手できることはまず無いと思います。

今回のB-Iも、正常に動作し歪率も特段悪くないのですが、上記の2点を考え新品にします。従ってYJ1200の劣化による不具合は当分は発生しないと思います。happy01

下の写真は、YJ1200の交換前です。足が短かく背が低いYJ1200が写真中央に見えます。この時点では、ミューズのBPだけが新しいものになっています。

Yj1200

2010年2月11日 (木)

レストア日記2009 電源制御回路

この回路は地味ですがB-Iにとっては大変重要な回路です。

Photo

基板だけであれば、ほとんど故障することはありませんが、下の写真の放熱器付きのトランジスタも含めると一気に故障率が上がります。

Photo_2 ピカピカshineな新品トランジスタ

この回路は、B電圧の低下、過電流、+12V制御用電源の状態を検出して終段FETへの電源を制御しています。

基板上のトランジスタと、酸金抵抗は全数交換しました。

大きなマイラコンは容量の大きな変化はありませんでした。若干の変化であれば非安定マルチバイブレータの時定数が少し変わる程度ですので動作に大きな影響はありませんが、念のため交換しておきます。

問題は、2枚目の写真のトランジスタです。コレが昇天して終段FETも道連れに昇天しているケースが多いです。

整備していないB-Iは、このトランジスタのシリコングリスが乾燥してポロポロ落ちてしまいます。これでは、放熱が十分できずに焼損しても仕方ないでしょう。 

このトランジスタを経由して常時終段に電源供給されていますので、確実な動作が必要です。例のアレニウスの法則を考慮すれば、経年による劣化も十分考えられますので、-200V電源用のトランジスタと一緒に交換しておきます。使用したトランジスタは、サンケン製のオリジナルと同じもので、もちろん新品です。

写真のとおり、ピカピカshineですね。このトランジスタは以前はどこのパーツ屋にも売っていたんですが、今は入手は難しいです。

ちなみに、この回路は定電圧電源回路ではありません。終段への電源供給をON/OFF制御する回路です。

最後に電源制御回路の基板裏面の写真を載せておきます。汚いフラックスの洗浄後は新品のようになりました。

Photo_3

この回路で交換した部品は以下2枚の写真の通りです。白いチューブとジャンパを除き合計74個です。全て新品に交換しています。

Photo_4

Photo_3

では、次回はドライバ回路を紹介します。お楽しみに。