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2008年6月

2008年6月10日 (火)

縦型FET博物館:2SK75

ここから数回はYAMAHAの縦型FETシリーズといきましょう!sign01

B-Iのドライブ回路には、
縦型FETが3種類
横型FETが3種類

が使用されており、
それらは全てYAMAHA
オリジナルのFETsign01です。



バイアス回路等にはバイポーラトランジスタも数種類使用されていますが、信号経路はオールFETとなっている画期的なパワーアンプなのです。

音に関しては主観が入りますので押し付けがましく「B-Iの音がサイコー!」なんて言うつもりはありませんが、少なくとも私が使用してきた数種類のメーカ製アンプ、自作アンプshockの中ではもっとも好みです。

すみません。ついつい前置きが長くなってしまいました。coldsweats02

今回は、中出力の縦型FETであるYAMAHAの2SK75の紹介です。

B-Iのドライバ回路へ使用することを主な目的として2SK77と共に開発されています。
形状は、FETとしては稀有なTO-66型でメタルキャンパッケージです。lovely

写真はAランクとBランクの新品ですが、その他にCランクがあります。(Cランクの新品は入手できませんでした)

Aランクはピンチオフ電圧がCランクよりも深くなってます。ということは、同じゲートバイアス電圧ではAランクの方がドレイン電流が流れるということです。

2SK75はB-IとC-Iに使用されていますので、以下に説明しましょう。

先ずは、2SK75のB-Iでの使用例です。
B-Iでは3段目差動アンプと終段ドライブ回路に使用されています。
3段目差動アンプはLK15というメタルキャンパッケージの横型FETとカスコード差動アンプが構成されており、LK15がソース接地、2SK75がゲート接地となっています。LK15の耐圧は低いのですが2SK75の高耐圧特性を生かして高い電位にシフトしつつ終段直結で強力なドライブを可能としている大変巧妙な回路となっています。lovely
ちなみに、この前段(2段目差動アンプ)も同様で2SJ24によるカスコード差動アンプとなっています。

終段の回路もまたまた巧妙で、YAMAHAでは「FETダーリントン接続」と言っています。2SK75のソースは定電流回路に接続され2SK77のゲートにダイレクト接続されてます。定電流回路のインピーダンス理論値は無限大ですので、交流信号はほぼ無損失で2SK77のゲートをスイングすることができます。lovely

2SK75のC-Iでの使用例です。
C-Iでは、フラットアンプの出力側にA級シングルのソースフォロア回路として使用されています。ランクはCランクです。


YAMAHAの石全てがそうですが、私の見た限りでは無線と実験誌等のパーツ店の広告欄に掲載されたことは無いようです。
ですが、当時YAMAHAの方は「市場に出さないといけない」とおっしゃってたのが雑誌の記事にも書かれていたんですけどね。

規格は以下の通りです。
[2SK75]
VGDO:200V
VGS:-30V
ID:500mA
PT:20W