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2007年12月

2007年12月19日 (水)

B−I新レストア日記10 交換された部品


新レストア日記も既に10回目となりました。smile

実際のレストアは11月初旬には完了し、現在はエージングを続けている最中です。初期にちょっとした不良も見つかったのですが、修理完了し現在は安定稼動中です。smile
音も角が取れて本来のB−Iの音になってきました。notenotesmile

冒頭の写真が今回のレストアで交換した全ての部品です。ちょっと書き出しますと、

トランジスタ 112個(全てのバイポーラトランジスタと電源部の2SK30)

コンデンサ 73個(電解コンデンサは全て交換)

ダイオード 23個

半固定抵抗 12個

固定抵抗 41個

リレー 6個

スイッチ 2個

以上、合計269個を全て新品に交換しました。smile
写真でもお分かりの通り、終段の巨大なケミコンもニチコン製の新品のケミコンに交換しました。この交換には部品の選定や実装方法の検討等も含めてかなりの工夫と相当な時間を費やしました。一番時間が掛かったと言えます。angry

その甲斐あってか、エージングが進むにつれ大変迫力のあるB−Iの音になってきました。lovely

徹底したオリジナル部品の採用もあって、B−I発売当初の音が再現できたと思います。smile


2007年12月14日 (金)

B−I新レストア日記9 2SK77

前回のブログにて「明日には30000アクセス....」と書きましたが、その日は大変アクセスが多かったため、当日中に30000アクセスを突破してしまいました。lovely
ありがとうございました。smilesmile

既に新レストア日記も9回目となりました。
古い機器を整備することの重要性等をしばしば書いてきましたが、不慣れな方は絶対に真似なさらぬようお願いします。廃品種ばかりになった貴重な石を一瞬に昇天させてしまう可能性があるばかりでなく、感電等の事故の元です。万一の場合も当方では一切責任は持ちません。
以前のブログでも書きましたが、若い頃に日常業務でハイパワーの真空管式送信機や付帯装置の整備等を行っていましたので、事故を未然に防止するための注意するポイントを理解して行っています。また、整備の前には改めて回路図を頭の中に入れ、手順を考えて整備しなければなりません。
20〜30W程度の相補対称型プッシュプルによるトランジスタ式アンプであればあまり高電圧は扱わないので、失敗しても損害は大したことはありませんが。。。

今回は、B−Iの心臓部、2SK77の登場です。
不動のB−Iを入手して真っ先に生死を確認するのがこの石です。
死んでいると思って生きていたら大変嬉しいlovelyものです。この石は当然市販されてませんから。(ヤフオクでも過去にヒートシンク付のものが1個だけ出品されただけです) 経験されたことのある方はこの気持ちが痛いほどわかりますよネsign02


埃がまとわりついた4つの2SK77です。写真の部品に交換します。



整備する前のアップ写真です。正直、2SK77がかわいそうです。
この石のD-S間には約90Vが印加されます。また、D-G間には約100Vの電位差があります。積もりに積もった埃が湿気を吸ったらリークするだけでなく、歪率の悪化にもつながります。



FETをヒートシンクから取り外します。シリコングリスが縁からはみ出てますが、硬化してしまっていて、ちょっと触っただけでパラパラと落ちます。取り外す時も、「パカッ!」という感じで外れます。従って、熱抵抗はかなり高くなってしまっているものと思います。バイポーラトランジスタと違って、負の温度特性なので熱暴走することはありませんが、素子の寿命は縮まるでしょう。



コネクタ端子や2SK77を綺麗に磨きました。コネクタ端子の磨きすぎはいけません。



左側のヒートシンクが再度部品を取り付けた様子です。線材は元の物を使用しますので、短く切ってしまうと使えなくなってしまいます。ただし、短くしないために半田鏝をしつこくあてて線を取り外すとFETに良くありません。
線には埃と汚れが付着していますので無水アルコールで汚れを取りますと写真のように綺麗になります。


以下、ちょっと怖いお話です。

衝撃の事実が発覚!!


右の写真をご覧ください。
今回、整備時にとんでもない状況を発見したのですsign01
2SK77の写真の左側に写っている足をご覧ください。わかりますか?

半田が垂れてヒートシンクにくっついています。coldsweats02
製造当初からこのままだったものと思います。ヒートシンクのアルマイトによる絶縁膜により、幸いショートは免れていますが恐ろしい光景です。shock よくも今までもってくれたものです。右側の足の半田も少し垂れています。
ちなみに、アルマイトの絶縁破壊電圧は結構高いらしく、
10μm程度の皮膜でもDC100Vまで大丈夫だそうですが、第一、皮膜がどの位あるかわかりませんし、精神衛生上も良くありません。

あなたのB−Iは大丈夫ですかぁ????・

2007年12月10日 (月)

B−I新レストア日記8 ドライバ基板

お礼


おかげさまで、明日には30000アクセスを達成しそうです。
沢山の方々にご覧頂きありがとうございました。
これからもB−Iに関する情報を発信していきたいと思います。


今回は30000アクセス達成を記念して特大版でドライバ回路を紹介します。といってもちょっと写真枚数を多くしただけですけどね。では、はじめます。

 ドライバ回路は2SK77を設計どおりドライブするための重要な回路です。音質を決めるのは本回路と言っても過言ではないでしょう。そのため、両チャンネル分を気合を入れて整備しました。当方、サラリーマンですので、1日の整備時間はあまり取れませんが、それでも1枚に1週間はかかったと思います。

両チャンネルの基板と新品の部品です。この写真を撮ったときにはまだ判明してなかった問題があったので6本程度の抵抗器は写っていません。この基板での半固定抵抗器は大変重要な役目を負っています。経年変化が小さく、温度係数が小さいコパルの巻線型を採用しています。オリジナルでついていた半固定抵抗を使い続ける勇気はありません。経験上、経年変化でかなり値が変わっているケースが多いです。
トランジスタはもちろん同一型番です。ランクも合わせています。念のためにHFEも測定し、値の近いものを使用しています。



他の基板と同様、この回路基板も埃や汚れがかなり付着しています。
YAMAHA製のコストのかかったメタルキャンタイプの横型FET、ヒートシンクの付いた小電力タイプの縦型FETも全体が汚れてます。また、小さい錆もあります。TO−66タイプの2SK75も同様です。




どの基板もそうですが、トランジスタが踊っているように、右に・左に・手前に・奥に傾いています。
製造ラインのおばちゃん?が、1日のノルマを課されながら一生懸命取り付けたんでしょう。



まず部品の配置を正確にノートに写し、全てのFET、コンデンサ、調整用半固定抵抗、および主要な抵抗取り外します。FETは半田鏝を当てる時間を極力短くします。これは再利用するため熱的ストレスを半導体に与えないためです。
基板をチェックしていたところ、1/4Wタイプの固定抵抗の下の基板が少しだけ変色しているのに気づきました。(写真の左上の方です)
取り外したところ、若干焼けてます。抵抗値を調べてみたところ、規定が5%のところが
10%近くも外れているものが2〜3本ありました。
放って置くと、初段FETのバイアスが変化し、動作点がずれ、結果、歪が発生することとなりますので、急遽交換しました。


150kΩの抵抗なんですが、160kΩもありました。使用されている抵抗の誤差は5%のものです。shock



部品を取り外して、アルコールで拭きます。一拭きしただけで、写真のとおり汚れが取れます。



汚れを落とし、綺麗にした部品を実装しました。smile
正直言って2枚目と3枚目の写真とは別物のように見えます。こんなにも美しく蘇るとは自分でも思いませんでした。



3段目の差動アンプを構成している2SK75側から撮りました。FET等は右に・左に・手前に・奥に傾いてはいません。
小学生の朝礼のようにちゃんと整列して起立していますっsign01



基板の下側(コネクタ側)から撮りました。大変綺麗になりました。lovely
手前に背中を向けている定電流回路の2SA763も、新品の入手は殆ど不可能ですが、昨年近所の古いパーツ屋に、同じhFEランクのものがデッドストックされてましたので迷いもせずに大人買いしてしまいました。




放熱板も一旦基板から取り外し、洗います。また、2SK75も綺麗にします。
HFE値が近い新品の2SC1168(入手困難です)を取り付けました。もちろん放熱処理もします。
写真に写っている2個の2SA810は富士電機のメタルキャンタイプのトランジスタです。既に新品の入手は困難ですが、今回のためにピカピカの新品を用意したので惜しげもなく使用します。写真には写っていませんが、コンプリの2SC1452も本基板には使用されていますが、それも探してきた新品を使用しています。(上の写真の奥に写っています)
2SA810の2個の内の1個は終段電源電圧に応じたバイアス電圧制御を担っています。要するに電源電圧変動の補償回路です。故障したB−Iでのこのトランジスタの不良率は高いです。終段電源が故障した際に道連れとなって不良となるのか、熱的なストレスに常時晒されているので、経年劣化によって不良になっているものと思われます。レストアの際は交換が必須な部品と考えています。



基板の裏面です。フラックスに汚れがこびりついていて、とても汚いです。少しべとべとします。
何も本機だけがこのような状態ではないんです。整備をしていない殆どのB−Iはこのような状態なのです。



全ての半田ポイントを再半田付けし、汚いフラックスを全て除去します。それから、防湿・絶縁コーティングをします。
写真のようにとても綺麗になりました。

2007年12月 1日 (土)

B−I新レストア日記7 ドライバ回路用電源回路 

既に以前のブログで述べましたが一番故障率の高い電源回路です。coldsweats02

理由の1つは、海外製のトランジスタの故障率が高いこと。
もう1つはコンデンサの寿命を加速するような配置となっていることでしょう。

また、この基板に限ったことではありませんが、埃の付着はアンプの寿命を縮めると考えた方がいいと思います。
ヒートシンクやトランジスタに付いた埃はそのまま放熱性の低下につながります。暑いのにセーターを着ているようなものです。shock
私はヒートシンクを綺麗に磨いたりしていますが、これは埃を付きにくくするためです。適当に刷毛で埃を落としただけでは短期間で再び埃が付きやすいのです。

では、写真を紹介していきましょう。


この基板で使用する新品のパーツです。ヤマハから以前購入したトランジスタもあります。ビニールに入っているものがそうで、モトローラ製のトランジスタはヤマハも国産のものに替えて送ってきます。東芝製のトランジスタに替えてあり、とても信頼性が高くて過去故障暦は1件もありません。なお、この基板で交換するトランジスタ数は15個です。




これは整備前の基板の写真です。かなり埃が付着しています。
 この基板では-300V以上の真空管アンプ並みの高電圧を扱いますので特に埃を嫌います。
埃が付着すると湿気を吸いますので、絶縁不良やノイズの原因となります。この基板ではスパークが発生するかもしれません。
 あなたのB−Iは大丈夫ですかsign02
 あっ、不用意に整備すると事故の元です。トランジスタアンプですが、上記のとおり高電圧部分がありますので。



基板を綺麗にするために主要部品を外しました。部品面をアルコールで綺麗にし、整流用ダイオードと一部のコンデンサを取り付けたところを写真にとりました。




元々基板に密着して取り付けてある2Wの抵抗は基板の焼けと放熱性を良くするため基板から浮かして取り付けています。
また、一部の抵抗は温度変化の少ないちょっと特殊な抵抗が使用されています。この抵抗は熱の影響を少なくするためパターン面に移しています。また、コンデンサもパターン面に移しています。(この写真では通常の配置の状態で撮っています)



このあたりのトランジスタがよく故障してます。



基板面のフラックスを綺麗に除去し、防湿のためコーティングをしました。なお、この基板は高熱のために若干グリーンレジストがはがれていましたので補修しています。