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2007年11月

2007年11月17日 (土)

B−I新レストア日記6 終段電源制御トランジスタ 

今回の記事は終段電源制御用のヒートシンク付きトランジスタです。終段電源制御だけではなく、−200V電源用のトランジスタも取り付けられています。

 これまで沢山のB−Iを見てきましたが、終段の2SK77が焼損している場合はこの回路のトランジスタも焼損している場合が非常に多いです。と言うか、この回路のトランジスタが焼損して2SK77が死に至っているものと思われます。

 従って、この回路はB−Iの運命を左右する回路と言えるかもしれません。それくらい重要な回路なのです。

トランジスタはサンケンの3種です。既にディスコンになっていてここ数年で入手ができなくなった貴重なトランジスタです。今回は全て新品に交換します。smile


シリコングリスもかなり硬化しており、熱抵抗が高くなっているはずです。coldsweats02
この状態だと、いつこれらのトランジスタが昇天しても不思議ではありません。もちろん綺麗に拭き取り新しいマイカとシリコングリスに交換します。


シリコングリスを拭き取った後は水道水でじゃぶじゃぶ洗います。こびりついた汚れもあるので洗った後にはアルコールで綺麗に拭き取ります。


ヒートシンクから配線部分を取り外した写真です。配線材も汚れで黒ずんでいますので無水アルコールできれいにします。



端子の酸化や汚れがどれだけあるか、比較した写真です。下側が銀磨き用クロスで端子を磨いた後で、上が磨く前です。shock
整備することでこんなに違いが出るんです。古い機器を正常動作させるためには、このような部分の整備も必要です。smile ただし、磨き過ぎは厳禁です。shock
もちろん、新品のコネクタがまだ市販されていれば交換したいのですが、既に市販されてません。


トランジスタを取り付けた後です。全体が新品みたいに綺麗になりました。smile

2007年11月13日 (火)

B−I新レストア日記5 終段電源制御&プロテクタ回路基板

この回路は他の電源回路基板と異なり調整部分が無くてちょっと面白くありません。sad

が、とても重要な2つの役割を担っているんですよ。sign01

1つ目は、スピーカ端子がショートされた場合および何らかの原因で終段の電源電圧が極端に下がった場合に終段への電源供給をシャットダウンするように制御されます。

2つ目は+12Vの制御用電源からの供給が無い場合は終段への電源供給をシャットダウンするように制御されます。


本基板で交換する新品の部品です。
トランジスタは全数交換です。基本的に同一型番ですが、2SC1439だけは入手できなかったので2SC1438としています。2SC1439と2SC1438は同じメーカで規格上も同一のものです。2SC458は日立製のキャラメル型です。



整備前の基板です。どうですか?埃がこびりついて汚いでしょう。30年間何の整備もしないとこうなっちゃいます。
2SA858と2SC1439は足がやわらかいために曲がって隣の足とくっつきそうなものもあります。ダイオードの足も酸化して黒く変色しています。ガラス繊維のチューブも黄色く変色しています。



部品を一旦取り外し、無水アルコールで基板上を綺麗に清掃します。(とても面倒ですが綺麗な基板をイメージしながら整備します)小さな放熱板には元々固定のための接着剤が劣化して残っていますので、綺麗に剥ぎ取ります。
汚れを綺麗に拭き取ったら新品の部品を取り付けます。写真は取り付け後で新品みたいに基板がよみがえります。



整然と並んだトランジスタです。オリジナルと同じ旧タイプの2SC458ですが、保存状態が良かったのか足もピカピカで気持ちが良いです。



全ての部品について再半田付けを行い、最後に基板を洗浄します。洗浄剤は大量に必要ですが高いので、無水アルコールと歯ブラシである程度フラックスを予め落としておき、最後に洗浄剤を使います。この時は洗浄剤をケチってはいけません。綺麗に除去できたら乾かしてコーティング剤にてパターン面を湿気等から保護します。写真はコーティング後のパターン面です。


2007年11月 4日 (日)

B−I新レストア日記4 ±25V、+12V電源回路基板

B−Iを上から見ると電源が占める割合がとても大きいですね。70年代の中期から各音響機器メーカは電源を重視するようになってきたようで、B−Iもその流れに沿っています。smile

今回の新レストア日記では、±25V、+12V電源回路を取り上げます。
±25V電源は、先に説明したランブルフィルタ回路およびUC−Iメータ回路に供給されます。
+12V電源は、リレーなどの各種制御用、LED表示、終段の電源回路制御用として供給されます。smile

現在であれば、これらの電源はレギュレータIC1個で簡単にできるほど基本的な電源回路なのですが、全てディスクリートで構成されています。smile 定電圧電源回路を理解するのには打ってつけでしょう。

以前にもブログに書きましたが、恐らく経年によると思われるトランジスタ不良がこの回路において発生したことがあります。フィルタ回路に正常に+25Vが供給されず鳴らなくなってしまったのです。そんなこともありましたので、以下のとおりトランジスタ全数交換を基本にした整備をしました。

部品を交換する前の基板(左)と、交換する新品の部品(右)です。トランジスタだけでも、30個あります。トランジスタはもちろん、整流用ダイオードもオリジナルと同じ10D1および10D1Rを使用 (赤いお腹をした10D1Rを真ん中にして、3個並んでますね。10D1が正出力で10D1Rが負出力用です。赤いのは足が短いですが、未使用です)コンデンサはニチコンミューズKZ、FGなどを使用しています。ちなみに、元々使われていた電解コンの大きさはミューズKZに近いです。半固定抵抗は高信頼の巻線型コパルλ13Sを使用しています。


今回使用するトランジスタです。2SC458はキャラメル型、2SA561/2SC734はシルクハット型、2SA777はエポキシ封止など、元々B−Iで使用されているものと同じ型番と形のものを使用しています。

電圧調整用のオリジナル半固定抵抗はアルプスのサーメットタイプですが、今回は巻線型コパルλ-13Sを採用しました。smile
これにはちょっとした理由があります。

これまで沢山のB-Iを見てきて、オリジナルのサーメットタイプには抵抗値の変化がかなりあることが分かりました。ひどいものは1割以上変化してます。これは高い電圧安定度が必要なドライバの電圧(+40V、−200V)が経年により変化してしまうことを意味します。 shock

長く使用するには長期安定性が高くて、抵抗の温度係数が小さい巻線型が良いと考えて選択しました。 (サーメットよりかなり高価dollarなんですが)

コパルにもサーメット型のRJ-13Sがあり、最新の技術で作られているため昔のサーメットよりは信頼性は高いと思いますが、色が黄色で上から見たときに目立ってしまうのでやめました。



電解コンデンサ、トランジスタ等の主要部品を取り外した基板です。埃や汚れが付着していますので、アルコールで綺麗に拭き取ります。また、ガラス繊維でできた抵抗に被せてあるチューブも綺麗なものと交換します。アルコールは一般的な消毒用アルコールではなくて無水アルコールですので消毒用よりかなり値が張ります。


部品を取り付けた写真です。綺麗に清掃した基板に新品の部品を取り付けるとこのように新品のように大変綺麗になります。
半固定抵抗横の出力電圧のテストポイントを見てみてください。クロスで丁寧に磨くと新品のようにピカピカになります。トランジスタに取り付けられている小さな放熱板も磨いたので綺麗です。


綺麗なので斜めからの写真も掲載します。部品が整然と並んでいる姿がヨイです。基板も清掃しているので、部品が写り込んでいるのが分かると思います。
1つ前の写真ではFG電解コンが斜めに半田付けされているのがお分かりと思いますが、そんなの許せないのでangry後で半田し直しましたsign01


全ての部品について再半田付けを行い、最後に基板を洗浄します。洗浄剤は大量に必要ですが高いので、無水アルコールと歯ブラシである程度フラックスを予め落としておき、最後に洗浄剤を使います。この時は洗浄剤をケチってはいけません。綺麗に除去できたら乾かしてコーティング剤にてパターン面をコーティングします。写真はコーティング後のパターン面です。