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2007年10月

2007年10月12日 (金)

B−I新レストア日記3 ランブルフィルタ回路基板

 今回の新レストア日記はランブルフィルタ回路です。入力にNORMAL端子を使用した場合に経由します。DIRECT端子を使用すればこの回路と前面パネルのボリュームは経由せずに入力基板上の2.2uFのDCカットのケミコンを経由しただけで直接パワーアンプ回路に入力されます。

 このランブルフィルタ回路は、アナログレコードの反りによる低周波域をカットするHPFの機能とインピーダンス変換機能の2つの機能を持っています。
 B−IにはUC−Iというメータユニットが接続できるようになっていますが、本体に直接装着する方法とRU−Iという5mの延長ケーブルによって接続する方法があり、リモートでボリュームコントロールとスピーカ切り替えができるようになっています。オーディオ信号を往復5m経由させてもノイズを拾わないようにするために、300Ωという低インピーダンスに変換しています。
 このアンプのパワー素子はドレイン損失20Wの2SK75という縦型FETで、A級シングルで使用されているんですよ。lovely 
 負荷1kΩにおける電圧利得は0dB(本回路を経由しても増幅されないので、「増幅度=1」ということです)です。
その証拠にランブルフィルタのスイッチを切替えても音の大きさは変らないでしょ。(大きく変わればそれは故障品ですcoldsweats02

整備する前の基盤と交換する部品です。当初はマイラコンも変更する予定でしたが、一部に若干容量が特殊なものが使用されていますので交換は断念しました。(背面にパラで取り付けるのであれば可能ですが)
バイポーラトランジスタは、日立製ローノイズのオリジナル型番トランジスタの新品が入手できましたので交換します。
酸金抵抗は交換する必要はありませんでしたが、比較的熱を発するので交換対象としました。
バイポーラのケミコンは、ニチコンミューズBPです。


この写真、2枚の写真を加工しており、下1/4が最初にカバーを開けたときのランブルフィルタ回路基板の写真で、上3/4が取り出してヒドイ埃を取った整備前の基板です。トランジスタの足にも埃が絡み付き、足も黒く酸化して毛羽立っていているのが分かります。外観は結構綺麗ですが、30年間経過すると内部の基板はこうなります。皆さんのB−Iは大丈夫ですか?

 


松下電器製の不活性ガス入り密閉型リレーです。なんてったって「ガス入り」ですよ。接点の腐食などは極めて少ない逸品で安くはありません。当然ながら新品です。このリレーも既に入手できなくなったようです。


このマイラコンがランブルフィルタの周波数特性を決めています。メーカはニッセイです。
今回は交換を見送りますので、一旦取り外し、樹脂の割れや劣化が無いか、容量は問題ないかを確認しました。外観は全く問題なし。容量も全て規定どおり5%以内に入っています。テスタの精度がちょっと?ですが、SOSHINの0.25%誤差のマイカコンで確認したところ、テスタリード間の容量なども含めた誤差の最悪値は約1.8%でしたので、実用上は十分だと思います。もちろん、極端に小さな測定値や大きな測定値の場合はもっと誤差は大きいと思います。


このように交換する部品を外します。 
 写真では2SK75が残っていますが、取り外して清掃しています。また、分かりにくいですがガラス繊維で出来た白い絶縁チューブも新品に交換します。これはちょっとしたこだわりです。見た目も綺麗です。写真では一部交換しているところが写っています。上が交換前、下の2本が交換後です。

 YJ1200と2SK75の間のLJ13は一旦取り外して汚れを取り、磨いたものを取り付けていますのでピカピカです。
 なお、YJ1200は取り外しはしていません。初段ですのでなるべく熱的なストレスを与えたくなかったためです。その代わり、足の隙間からアルコールに浸した綿棒を入れ、汚れを綺麗に拭き取ります。取り外す場合、外す時と再び半田付けする時と2回高熱を与えてしまいますので。今回取り外さなかったのはYJ1200をなるべく長持ちさせるためです。取り外す他のFETも極力短時間での半田付けが要求されます。放熱クリップというアルミでできた商品がありますが、サイズ的に狭い場所では使用できません。私の場合は、半導体の3本足を連続して半田鏝を当てることはしないようにしています。1本半田付けしたら、他の部品の半田付けをし、熱が冷めて2本目の半田付けをします。その方が内部の半導体チップが高温にならずにすむんですよねぇ〜。smilesmile
レストアにはこういった心遣いも必要なんですっsign01



整備後の基盤の表面と裏面です。
 部品装着後は全ての半田付けをし直して、フラックスクリーナでフラックスを綺麗に除去します。それから、湿気や汚れによる特性変化等を生じさせないようにするため、プリント基板専用の防湿コーティング剤を塗布し半田付け面を保護しておきます。

 小さい基板なんですが、整備には結構時間がかかりますねぇ。

2007年10月 2日 (火)

B−I新レストア日記2 入力回路基板

 新レストア日記の2回目は音の入り口、入力回路基板です。DIRECT入力とNORMAL入力端子があります。DIRECT入力を使用した場合は2.2uFのバイポーラ電解コンを経由してパワーアンプ基板の入力に接続されます。NORMAL端子に入力した場合はランブルフィルタ回路基板を経由します。
 また、これらの入力切替用スライドスイッチと、ランブルフィルタのON/OFF切替用スライドスイッチが搭載されています。
 入力切替用スライドスイッチとバイポーラ電解コンは必ずオーディオ信号が経由しますので、長く愛用するためにはちゃんとした整備が必要です。


取り外した入力回路基板と今回交換する新品の部品です。電解コンデンサはニチコンミューズBPに交換します。
切替えスイッチは、何とオリジナルと同型のALPS製の新品が入手できましたので交換します。heartこういったものは接点を磨くのではなく、新品に交換したいものです。音の透明度が違います。


部品を取り付けた写真です。
単に新品の部品を取り付けたのではなく、入力のRCAコネクタも基板から取り外し、綺麗に金属磨き用クロスで磨いています。
 オーディオ信号が通るスライドスイッチが光り輝いていますね。smile
新品ということはとても気持ちが良いものです。lovely30年経過したスイッチを以前分解しましたが真っ黒で接触抵抗がかなり高くなっていました。coldsweats02


以前のブログにも書きましたが、とてもパターンがはがれやすいのがこの基板の弱点です。本基板もDIRECT入力端子の半田付け部分のパターンに少し剥がれが見つかりましたのでangry、左右共に補強をしておきました。smile何もしないと、パターンが切れて確実に鳴らなくなります。過去1例そのようなケースがありました。shock


この入力回路は、とても単純な回路ですが、YAMAHAはちゃんと考えてパターンを描いています。信号ラインにはノイズが乗りにくく、かつ、左右のクロストークが発生しないようなパターンになっているのです。
惜しむらくは、紙フェノール基板であることです。sad

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以前、「紙エポキシ基板」と書いていてご指摘を受けました。ご指摘の通り、紙フェノール基板です。この材質は本当に弱いんですよね。B-Iの鬼門となる基盤デス。wobbly

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最後は、汚れやフラックスを除去してパターン面をコーティングしました。smile