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2006年6月

2006年6月26日 (月)

B−1を裸にスル その8(±25V&+12V電源)


写真の回路は±25Vと+12Vの電源回路です。±25Vは入力フィルタ回路用、+12Vは制御用の電源です。現代のアンプであればレギュレータIC+αくらいで実現できそうな回路ですが、すべてディスクリートで構成されているところが私がB−1というアンプが大好きな理由でもあります。

この基板では過去3回の故障の経験があります。
1つ目はレストア日記11で記述した−200Vの検出回路の抵抗が断線したことと、2つ目は  −25V回路のトランジスタの不良、3つ目はスピーカ切替用リレーを駆動しているトランジスタ不良です。

それ以外はありません。あまり高熱も出さないし、比較的安定している回路だと思います。上記のとおりトランジスタの不良がこの基板でも発生しましたが、前回と同様にまたなぜか全てPNP型です。この頃のPNP型トランジスタは特に弱いのかなsign02sign02

写真では電解コンデンサは交換していませんでしたが、現在は新しいものに交換し、半田付けを全てやり直しています。
電解コンデンサはマジで生ものです。写真のB−1のように超美品であんまり使用していなくても古い電解コンデンサは通電後に急速に劣化します。ぜひ交換しましょう。ただし、折角ですから少々良い電解コンデンサを選びましょう。高熱に晒される部位であれば105℃か、125℃対応のものを使用しましょう。smilesmile

2006年6月25日 (日)

B−1を裸にスル その7(−200V電源)

左の写真は−200Vと+40Vの電源回路です。

一番故障の多い回路です。

レストア日記でも書きましたが、熱を発する抵抗の上に電解コンデンサを配置しているので劣化が激しいんでしょう。shock 写真ではまだ交換していませんが、全ての電解コンデンサ交換と再半田付けはレストア時には必須です。

それと、−200V電源の過電流検出用抵抗の高熱により基板が少し変色しています。本機はあまり使われてなかったらしく、大変美品だったのでまだマシですが、完全に基板が焦げているものもありました。まだガラスエポキシなので30年も使えているのかもしれませんが、紙エポキシだったら今頃は灰になっているでしょう。shock

トランジスタもPNP型のMPSA92が特に弱いですねぇ。写真の基板上のそれも2個が死んでましたので交換しましたが、残りのMPSA92も交換したほうが良さそうです。できればMPSA42(NPN型)も変えたほうが良いかな?

中出力のMPSU60は、過去2回故障交換したことがありますが、現在ヤマハ純正の代替品が何かは分かりません。(以前交換部品を入手したときは、「最後の2個」ということでした)

ちなみに、調整箇所は−200Vだけで+40Vは調整無しです。−200Vの電圧調整で自動的にセットされます。

B−1を裸にスル その6(2SK77を解剖スル)

まずは、B−1で使われている縦型FETをご紹介しましょう。
写真は、だいぶ前に購入した2SK77、2SK75(A)、2SK75(B)、2SJ24の貴重な新品です。もう新品での入手は絶望的です。shockshockshock
どなたかお持ちでしたら是非お譲りください。smile

2SK75と2SJ24は不良のFETの手持ちが無いので、中身は見てません。


2SK77は幸か不幸か不良品がたくさんありますので、1個だけ強引に開いてみましたsign01

その写真をここに公開いたします。

開くのに使った道具はフツーのニッパーです。sign01

中心から少し左側に見えるのが半導体ペレットですが、空けた当初は白いシリコン樹脂みたいなものでペレット全体が覆われていました。恐らく劣化防止のためでしょう。そのままでは見えないのでソーっと剥がしました。
  ペレットサイズは、一辺が7mmの大変大きいサイズとなっています。面積で言うとソニーの2SK60の約4倍のサイズです。
ペレットには、4本の金属ワイヤがボンディングされている内、3本の金属ワイヤはソース極として外に取り出されていて、残りの1本がゲートです。ワイヤは非常にやわらかいので、素材はアルミかもしれません。

真ん中のワイヤがボンディングされたあたりが丸く黒く変色しているように見える部分があります。正にこの部分が本FETが不良となった原因の破壊された部分です。写真では分かりにくいですが、どうやら溶けているようです。瞬間的に数10Aの電流が流れたんでしょう。coldsweats02

1973年頃の無線と実験に開発途中の2SK77が写真付きで掲載されていましたが、ワイヤの様子が少し違います。試作バージョンと量産バージョンでの違いでしょう。

2006年6月23日 (金)

B−1を裸にスル その5(大出力メインアンプ回路 後編)



終段の巨大な2SK77をドライブするための回路は、ヤマハがB−1のために開発したオリジナル回路です。

ヤマハの資料から引用させていただくと、「FETのダーリントンと言うべきものでこれによりパワーFETとドライブFETが直結可能になりました」とあります。

写真の放熱板の左側に取り付けられている2SK75がドライバ用FETです。
上の2個の2SK75は3段目のカスコードアンプ用です。ちなみに、2SKシリーズでTO−66型はこの2SK75だけではないでしょうか?

と、以前書きましたが、ネット上の情報だとどうやらNECの2SJ21と2SK71がTO−66型らしいですね。それもコンプリなんですね。一度お目にかかりたいものです。




上の写真が、B−1の心臓部。

ドレイン損失300Wの2SK77のシングルプッシュで150Wを叩き出すことができます。lovely


では、次回は2SK77を解剖 してみましょう。

2006年6月20日 (火)

B−1を裸にスル その4(大出力メインアンプ回路 前編)

初段はYJ−1200を使った差動増幅回路、2段目と3段目はミラー効果の影響を避けるためカスコード接続された差動増幅回路となっています。smilesmile


70年代前半設計としては非常に斬新な回路と思います。今でもアナログオーディオアンプは基本的に同じ回路構成なんですよ。


この回路はヤマハが威信を掛けて開発した2SK77の潜在的な能力を引き出すために必要だった回路かもしれませんね。

2段目差動アンプはソース接地回路に横型FETのLJ−13を2個、ゲート接地回路には高耐圧のFETが必要なので縦型FETの2SJ24のが2個使われています。

ちなみに、初期のB−1では、2SJ24がTJ−08という型番となっているんですよ。左上の写真がそれですが奇跡的とも言えるほどそれぞれの部品がぴかぴかです。heart

3段目差動アンプはソース接地回路に横型FETのLK−15を2個、ゲート接地回路には高耐圧のFETが必要なのと扱う電力が2段目より大きいため中出力縦型FETの2SK75(Aランク)が2個使われています。

過去、LK−15が1個短絡故障したので交換したことがあります。shock

2006年6月18日 (日)

B−1を裸にスル その3(入力フィルタ回路)

この回路の目的は、低域のカットとインピーダンス変換です。利得はありません。

初段はヤマハのデュアルFETのYJ−1200です。

2段目はヤマハの横型FETのLJ13(取説では2SJ23になっています)をソース接地で使用されています。

終段はドレイン損失20Wの2SK75シングルのソースフォロワ出力で出力インピーダンスが300Ωと低いものになっています。smile

左上に見える松下製のリレーは、NORMALとDIRECTの切替を行うためのものです。シースルーで密閉型の信頼性の高いものが使われています。

この回路の入力と出力に無極性の電解コンデンサが使われていますので、年数が経ったものは交換したほうがよいでしょう。

(余談)
2SK75は3ランクに分けてB−1では使用されているようです。その中でこの回路で使用されているのはランクCのもの。一番ピンチオフ電圧が浅いランク(ゲート電圧0でドレイン電流が最も流れにくいランク)です。

ちなみにこの2SK75、6RA3とかのレギュレータ用真空管の置き換えができそうな特性です。余った2SK75が幾つかあるので、そのうちトランス付きのアンプでも作ってみようかなぁ。

2006年6月16日 (金)

B−1を裸にスル その2(入り口編)




B−1は入力方法がDIRECT入力とNORMAL入力の2通り選択できることは以前のブログで紹介しましたので割愛します。

入力部分を裏から見ると。上の写真のようになっています。
この回路は紙フェノール基板ですので、銅箔が剥がれ易いです。パターンが細くなっているポイントを数回も半田付けし直しただけで必ず剥離しますのでご注意を。

特にRCA端子が半田付けされていてる部分は要注意ですよ sign01 私のB−1も急に音が鳴らなくなったので、確認したところ、この部分のパターンが切れていました。




フィルタ回路からの出力は一旦この基盤を経由してパワーアンプへ入力されます。
この基盤上の2.2μの電解コンデンサは交換したほうが良いでしょう。(上の写真の半田が光っている部分の裏側に取り付けられています)

電解コンデンサは生ものと思っておいた方が良いです。

ちなみに、とてもメンテナンスしにくいのがこの回路基板の難点です。(外しにくいし取り付けにくい)

それから、この基盤に裏面に出ている2つのスイッチが半田付けしてありますが、大抵は接点が
酸化していますので、一旦ばらして、接点復活剤で磨くときれいになり音も透明感が増します。

B−1を裸にスル (番外編その3)


「B−1を裸にスル(番外編)」最後の写真です。

これ、見たこと無い方も多いのではないでしょうか? 

輸出用のB−1です。AC117V対応です。

後ろのヒューズソケットは1つも見当たりません。

裏板を開けないとヒューズの取替えはできません。

背面のコンセントも付いていません。

北米の安全規格であるULマークが見えますね。

それと、検査担当者のハンコがアルファベットのサインになっています。

B−1を裸にスル (番外編その2)


続けて2枚目の写真です。

これ、フツーのB−1です。
ヒューズソケットが3つ見えます。コンセントは付いていません。

検査員のお名前は「木村さん」です。

一番台数が出回っているのではないでしょうか?

ところで、コントロールアンプ(C−1)との接続コネクタがあるのですが、この接続ケーブルを見たことありません。どなたか接続して使っている方、いらっしゃいますかねsign02sign02sign02

2006年6月15日 (木)

B−1を裸にスル (番外編その1)


B−1の背面で、私が知り得る範囲では3種類あるのでご紹介します。

前回からの「裸にスル」シリーズからわき道に外れるので(番外編)にしました。

まず、最初の写真です。

先のブログでもご紹介した1000番台のB−1の背面です。錆びや傷が全く無く博物館に入れても良いような美品です。
この後、2種類のB−1を紹介しますが、一番の違いはコンセントが付いていることですね。
それと制御回路電源用のヒューズが背面には付いていないので、ヒューズの口が2つしかありません。

比較的台数が少ないのではないでしょうか?オークションでもあまり出品されないようです。
本機を除き過去に1度入手しましたが、外装は傷だらけで内部の部品も錆だらけのヒドイ状態でした。
特にこの型は古いのでしょうがないですね。