2010年8月17日 (火)

B-Ⅰ修理日記 ご申告どおりの症状が..

気分よく音楽を聴いていたところ、

左チャンネルから音が途切れ、

その5分後にはカチンとプロテクタが動作し、

その後も「カチン、カチン」と、リレーがON/OFFを繰り返したり...

あちゃ~、申告どおり。 

どこが悪いんやろ???????

スピーカリレーが動作しているのですが、出力にDC成分が出力されているなどの異常は無いようです。

とりあえず、以前経験していたドライバの正負電源の正常性を検出するための抵抗等をチェックしました。

経年劣化でだいぶ値が増加しており10%の誤差を超えています。発熱すると、もっと抵抗が上昇するので検出閾値あたりでカチンカチンと動作するのでは、と想定。

また、進工業製の抵抗も抵抗値変化や抵抗体からのリード外れが過去にあったので交換。

Blog12v25v

交換して再度調整を行い動作させてみましたが、すぐに再現。cryingcrying

負電源回路の電圧を監視しているトランジスタの増幅率をチェックしたところ、1つだけ大幅に増幅率が低下しているものを発見。きっとコレコレ。happy01 

念のために同じ型番のトランジスタや関連するトランジスタも、ついでに交換。

再度調整を行い、動作確認したところ、リレーのカチンカチンが無くなり、音も正常になったことを確認したのでした。scissors

しか~~し、

小1時間ほどすると右側のチャンネルの音が歪んでいることが判明。

それも時間と共に大きく歪んできます。

ん~、なんだこりゃ厄介だぞ。pout

2010年7月16日 (金)

B-Ⅰ修理日記 定番の故障箇所

依頼を頂いたときの申告内容は、音が正常に出ないだけでなく、リレーが「かちん、かちん」と短時間にON/OFFを繰り返す変な動作をするとのこと。

とにかく、このまま電源を入れると故障範囲の拡大、特にYAMAHAオリジナルFETを壊す羽目に遭いますので、全基板を取り外してチェックしてみます。

ビニールチューブがめくれ上がり、ななめに傾いた怪しいケミコンがあります。全てのB-Ⅰはこの部品が最初に壊れると言っても過言ではありません。

Blogng2

それにしても激しく劣化してます。液漏れしたものが干上がったのでしょう。wobbly

Blogng

このケミコンはもちろん新品に交換し、温度特性の良い特殊な酸金抵抗と一緒に基盤のパターン面に取り付けます。高熱を発する一般の酸金抵抗は松下製の酸金抵抗に交換し基板から離して取り付けます。それは基板保護のためです。

Blog200v

とりあえず、他には異常はみられないようなので、各部電圧チェックの上でドライバ基板を装着してバイアスが正常にコントロールできることを確認し、終段FETを装着します。

正常に調整ができたので、「楽勝!!」と思いつつ修理したてのホヤホヤの本機で気分よく音楽をきいていたところ...がーんheart03

つづく。

2010年7月13日 (火)

B-Ⅰ修理日記 ちょっと診てみましょう

「さて始めましょう」と意気込んだ割には、またまた間が空いてしまいました。(反省)

このブログのコメント欄に問い合わせて頂いた方の大事なB-Ⅰを診てみることとなりました。

以前のオーディオブーム華やかな頃に入手され、30年程前から不動となっているB-Ⅰのようで、思い入れもあって捨てるに捨てられないとのこと。修理しようにも、もはや修理してくれるところが無いので問い合わせを頂いた次第です。

当方は修理屋ではなく単なる一人のB-Ⅰの熱狂的ユーザなので、修理用の部品は持ち合わせていません。

従って、とりあえず終段の2SK77が半導体としての基本的性質を持っているかだけメールでアドバイスをして確認してもらいました。

結果、生きていそうな感じでしたので、ちょっと診てみましょうってことで、一応お預かりすることに。

ま、なんとかなるだろうという軽~い気持ちで引き受けたのですが、これまで経験したことの無い、色んな不具合に遭遇するとは思いもせず...crying

2010年6月27日 (日)

B-Ⅰ修理日記 さて、始めましょうか

前回の記事から、ちょっと間が空いてしまいました。

かれこれB-Ⅰの修理を10年くらいやっていると、経験したことの無い故障箇所がちょくちょくでてくるものです。

今回は近県の方からお預かりしたB-Ⅰの修理日記を掲載したいと思います。故障箇所が複数箇所あったのと、故障に至らなくても劣化が見られる部分が数点ありました。今回はそれらに付いて簡単にご紹介していきたいと思います。

YAMAHAも、もはや既にB-Ⅰの修理は受け付けてないようです。部品が無いのと、修理が出来る技術者が居ないためのようですね。

故障箇所もだんだん難しい部分になってきているようで、トラブルシューティングにも時間が掛かってしまいます。

オークションでも電解コンデンサやトランジスタなど、多くの部品を交換したものが出品されているようですが、これまでの経験からすると少々不十分かなと思われ、近年中の故障が考えられます。

最近特に多いのが一番大きな電源のケミコンの劣化不良で、リークが非常に多い。一見正常動作てても調べるとリークが多く、プロテクタが働くのは時間の問題です。これの交換は本当に大変です。ケミコンユニットの製作が必要ですから。最悪は、重要な整流ブリッジまで道連れに故障してしまいます。

このケミコンユニットですが、市販のものはありませんので、独自の設計にて6ユニット目を製作中です。手間も掛かるし時間も掛かりますが、長く使うためには避けて通れない手間なのです。

適当に作ればいいのかもしれませんが、極めて重要な部分ですので、カッチリとした造りで信頼性の高いものを作る必要があるのです。おまけにスペースの制約が極めて厳しい。

Photoケミコンユニットの最新バージョンです

それから、固定抵抗(カーボン抵抗)の劣化も多いですね。35年も経過するとだいぶ値が変化するようです。仕方の無いことです。

メーカも35年も使うことは全く想定していないのですからcoldsweats01 

責められません。。。。

2010年5月24日 (月)

レストア日記2009のB-Ⅰをお届けに

4月30日に落札していただいたレストア日記2009のB-Ⅰを、5月9日に落札者様のご自宅までお届けしてきました。隣県で美しい自然が残り焼物でもとても有名な所です。私が小学生の頃に毎年海水浴に行っていたところでもあり、約35年ぶりの大変懐かしい場所への訪問となりました。

この日はレコード(CD)コンサートが企画されており、このコンサートでB-Ⅰをお披露目することとなりました。落札者様のご友人もいらっしゃる予定で、ちょっと緊張です。万一のために壊れやすい電源部やドライバ基板、2SK77ユニットも一式持参しました。

お昼過ぎに到着し、オーディオルームにB-Ⅰを運びこみます。離れのしっかりとした造りのオーディオルームで大きなスピーカが壁一面に実装されています。
日立のHS-10000という500Lはあろうかと思われる平面振動板を持つスピーカで極低域から広域まで非常に広い帯域を持ったスピーカだそうです。
隣に同じ日立製のHS-5000も埋め込まれていますが、それが小さく見えるほどです。

Hs10000 

雑談の後、様々なソースを聞かせて頂きました。最初は所有されているB-2で、その後自作機(EC33C)で、その後B-Ⅰの出番となりました。

心配しましたが、B-Ⅰは大きなHS-10000を楽々とドライブしてくれました。

色んなソースを聞かせて頂いたのですが、何と言っても圧巻は大太鼓です。目の前で太鼓が鳴っているような感じで直にその音響振動を体で直に感じることができました。

B-ⅠはUC-Ⅰ接続状態でしたのでリアルタイムで出力を見ることができます。
今まで普通のスピーカの接続で100Wを超えたのを見たことはありませんでしたが、初めて100W以上出ているのを確認しました。更に大音響時は200W以上も出ていることが確認できました。

もちろん、大太鼓の圧倒的再現力だけでなく、カレン・カーペンターのボーカルも背筋がぞくぞくっとするほど艶やかでした。

HS-10000とB-Ⅰ君の相性はとても良いようです。

部品の多くが新品になっていますので、これからも当分は嫁ぎ先で快調に素晴らしい音楽を再生してくれるものと思います。happy01

2010年4月 6日 (火)

悩んで悩んでお譲りすることに...

レストア日記2009は如何でしたか?

レストア完了後、3か月程度が経ちますが、ケミコン類をはじめ、部品類のエージングも進み元々の押しのある音に加えて角が取れた大変聞きやすい音になってきたと感じています。(あくまで主観ですが)

家族がいないときは音量を上げて聞いていますが、大音量の場合はB-Ⅰの本領発揮という感じで能率の低いスピーカも難なくドライブできているのが分かります。

ところで、我が家には他の不動のB-Ⅰと今回のレストア機、及び部品や測定器類が和室を占領し家族の大顰蹙をかっています。なんとかしないと和室に入れません。要するに足の踏み場もないという状況crying

で、このレストア機をどうしようかずっと悩んだのですが、B-Ⅰに興味のある方にお譲りしようと思っています。

3か月の保証を付けて、価格を295,000円に設定致します。

もし、今週10日(土)までにお申し出が無ければオークション上で299,800円で出品します。

私としては、できれば殺伐としたオークションの場ではなくて、購入の意思のある方とちゃんとコミュニケーションをとってB-Ⅰ・UC-Ⅰを嫁に出したいのです。

では、このB-Ⅰを総括しますと、レストアで新品にした部品総数が383点sign03です。

以下、その内訳です。

IC:2個
トランジスタ(FET):7個
トランジスタ(バイポーラ):128個
ダイオード:33個
固定抵抗:79個
半固定抵抗:12個
ケミコン、タンタルコン:49個
フィルムコン、セラミックコン:61個
リレー6個
その他:6点(スイッチ、豆球)

不良箇所を確定した上でこれらを交換し、最終調整に動作試験、特性の測定まで行いました。ブログ記事にも書いているとおり基板の洗浄や内部の清掃も行っています。

部品を新品に替えれば、その初期不良が想定されますが、完了後の3か月間では特に問題は発生していません。あと3か月は様子を見る必要があるという意味で3か月の保証を付けたいと思います。(ただし、内部に手をを入れないという条件だけは付けさせて下さい)

もちろん、その後に不調が発生した場合も相談に乗らさせて頂きます。

ちなみに、上記の価格ですが私はレストアが本業ではなく趣味でやっていますので技術料とかは含んでいません。
もし含めるとなるとレストアに要した時間が100時間以上になるので、仮にコンビニのバイト代で計算したとしてもトンデモナイ価格になってしまいます。しかし、上記の価格を下げると持ち出しになってしまいます。coldsweats02

このB-Ⅰの目玉は、もうおわかりですよね。

①初段のYAMAHAのFETであるYJ1200がオリジナルと同じ新品であること

②最近故障が増加傾向にある終段電源用ケミコンが新品であること

です!

レストアの内容はこのブログを読んでみて頂ければと思いますが、外観とかの説明が若干不足気味でしたので、以下に説明を加えます。

Photo

古いシリアル番号にしては比較的綺麗な方だと思います。

しかし、UC-Ⅰの左側角の上下に当り傷、B-Ⅰ本体の上面の左右角に細かい傷、ボリュームの1つに小さなあたりがあります。

Photo_2

Photo_3

Photo_4

Photo_5背面にコンセントのあるタイプです

お譲りするのは、B-Ⅰ本体とUC-Ⅰ。それに測定結果グラフ、B-ⅠカタログとB-Ⅰ取扱説明書のコピーです。B-Ⅰ本体には3ヶ月の動作保証を付けます。

では、ご連絡お待ちいたしております。

2010年4月 1日 (木)

レストア日記2009(完) ドキドキ測定

レストア日記2009を表題どおり2009年度中に書き終える目標でしたが、1日ずれ込んでしまいました。wobbly

レストアの完成後は早速測定です。楽しみでもあり、ちょっとドキドキheart01する測定です。

測定する際は所有しているDALE製6Ω150Wの純抵抗を擬似負荷(ダミーロード)としてスピーカ端子に接続して行います。B-Ⅰにとっては、8Ωより更に電流供給能力を試される厳しい負荷条件です。

レストア前より特性が劣化していると当然ながらガッカリするものですが、早速結果を紹介しましょう。

擬似負荷は6Ω純抵抗ですので、0.1W時は擬似負荷の両端に実効値で0.77V、150W時は30Vの電圧が現れますので、その時の歪率を測定します。

【右チャンネル】
           100Hz      1kHz      10kHz       20kHz

0.1W      0.020%    0.021%    0.021%    0.019%

1.0W      0.004%    0.005%    0.008%    0.007%

10W      0.005%    0.005%    0.013%    0.014%

75W      0.007%    0.007%    0.024%    0.018%

150W      0.011%    0.012%    0.025%    0.019%

【左チャンネル】

         100Hz     1kHz      10kHz     20kHz

0.1W      0.013%    0.014%    0.015%    0.014%

1.0W      0.007%    0.008%    0.006%    0.006%

10W      0.006%    0.012%    0.026%    0.015%

75W      0.021%    0.024%    0.048%    0.031%

150W      0.030%    0.027%    0.048%    0.034%

右チャンネルは初段FETのYJ1200交換後に大きく歪率が改善しました。交換前は0.1%近かったのですが。

概ね良好な値で安心しました。

もちろん、交流バランス(普通のアンプには無い調整です)とバイアス電流を何度も調整し、歪率が最良となるようにします。

150W時も75W時と比較して歪率はあまり変わりません。

ということはもっと出力が出るかも。

じゃぁ、このB-Ⅰはどの程度まで出力が出せるのかな??

とりあえず、やってみました。

左チャンネルが1kHz正弦波実効値で37~38V、右チャンネルが38V出ましたので230-240Wの電力を擬似負荷に叩き込んでいることになります。もちろん歪率悪化前の値です。

素子をパラにしていないシングルプッシュでの実力としては驚異的ですsign03

いやはや、B-Ⅰ君、スゴすぎheart02

その時のUC-Ⅰ表示と、クリップし始めたとき(歪率:1.0~2.0%)の波形写真を掲載します。

Photo

Photo

この状態だと、擬似負荷の容量を大きくオーバーしますし、負荷電流も5Aを超えますので短時間の試験になります。ただし、150W出力については連続30分の試験をしておきました。

周波数特性ですが、-3dBとなる帯域(注)は、おおよそ4Hz~150kHzといったところですが、低域は測定器の限界かもしれません。

注:電力出力レベルの基準を0dBとした場合、出力が半分となる周波数帯域です。  -10dBの場合は1/10、

 -20dBの場合は1/100となります。  ちなみに、電圧の場合は「-6dB」が半分となる電圧です。

これでレストア日記2009を終わります。

2010年3月30日 (火)

レストア日記2009 UC-Ⅰの整備

B-Ⅰ本体の整備が終わったので、UC-Ⅰを整備します。

30年経過したUC-Ⅰで間違いなく劣化しているのは、LEDを前面パネルに押さえつけているウレタンスポンジでしょう。下の写真のようにボロボロになっていて、前面からLEDが落ちたような状態になっているはずです。wobbly

照明用豆球は切れていませんが、近々切れる可能性も高いので指定された定格の新品豆球に交換しておきます。

Ucled 劣化したスポンジと交換する豆球(メータの下の4個)

上記のLED基板は、放置すると基板の電源端子部分がシャーシと接触ショートし、B-Ⅰ本体側も故障する可能性があります。よ

って放置はできませんので、この現象のある方(殆どが該当すると思います)は早めに修理してもらうことをお勧めします。happy01

最初は前面パネルにLEDを接着しようとも思いましたが、オリジナルに忠実に新しいウレタンスポンジにて同様にLEDを前面パネルに押さえつけました。

下の写真が交換後です。

Ucled_2

UC-Ⅰの接点も音楽信号が通りますので軽く磨いておきます。

Uci

回路部分については、過去、メータ回路用トランジスタの不良(ノイズ発生)により入力が無い場合もメータが若干振れてしまう不具合がありましたので、念のために全てのIC、トランジスタ、コンデンサの交換を行いました。

Uc 使用半導体

TA7129は、B-Ⅰ,UC-Ⅰで使用される唯一のICです。入手は難しいのですが手持ちの新品がありますので、それに交換します。このICは対数アンプ用に使用されており、トランジスタと抵抗から成るシンプルな構成の比較的初期のICです。

Uc_2 基板整備後

UC-Ⅰは、擬似負荷を接続した状態で1W,10W,150Wの3点で調整するようになっています。

UC-Ⅰの出力表示は8Ωの負荷を接続した場合のその両端に発生する電圧を内部の対数アンプで対数圧縮して表示する仕組みです。よって、擬似負荷には8Ωの抵抗を接続して調整しなければなりませんが、私の持っている擬似負荷は6Ωですので、75Wの表示の場合は実際は100Wが出力されていることになってしまいます。従って、調整の際は8Ω換算した表示値とする必要があります。

この回路で交換した部品は以下の写真の通りです。メータ照明用豆球も含めて合計43個です。全て新品に交換しています。

Uc

2010年3月21日 (日)

レストア日記2009 筐体取り付け部品の整備

3月前半は、ある方から依頼を受けたB-Ⅰの修理を行ってました。今まで経験したことの無い箇所の故障が数点あり、大変良い経験をしました。ご依頼者の了解も得ましたので、このシリーズが終わったら紹介したいと思います。happy01

前回までは、基板上の回路や、ユニットになっている部分の整備状況について紹介しましたが、今回はそれ以外の部分になります。

1点目は-200V電源平滑用ケミコンで、正面から見て左側奥に取り付けられています。

整備する前は、ケミコンのカバーの頭が経年による割れのため、接着剤でくっつけられてました。

Cew

オリジナルのケミコンである日本ケミコン社のCEWタイプは既にカタログから落ちているようで、入手はできませんが、入手できたお友達から譲っていただきました。

最近のケミコンは相当小型化されており、大きさが合わなかったりしますが、今回はオリジナルと同じCEW型ですので問題ありません。技術の進歩により、長さが若干短くなった程度です。太さが変わると取り付け時に困りますが長さが若干短くなる程度は問題ありません。

Cew_2

2点目はOMRONの出力用リレーの交換です。

このリレーは密閉型ではありませんので、接点の酸化が進んでいるケースがとても多いです。古いものはアクリルの部分が黄色く変色してますのですぐに分かります。

今回は、5個全て新品に交換します。このまま放置すると歪率が劣化して確実に音が濁ります。誰が聞いても分かるくらいです。

このリレーは入力のフィルタ回路で使われているリレーと違い、B-Iのオリジナル部品の中で現在も販売されている数少ない部品の一つです。

ただし、1個あたりの価格は高くなってしまいました。1000円くらいしますので、この部分だけでも5000円します。でも新品のリレーに替える効果は大きいですよ。

使用していない2~5番目のリレーと交換すれば良いという考えもありますが、このタイプのリレーは適度にスイッチが入ったり切れたりしていることが接点不良防止のために必要です。長い間使用されていないと空気中の酸素や微量の硫化水素により酸化などが発生します。

よって、使っていないリレーと交換しても良い結果が得られないケースは多いのです。従ってプロ用機器では使用頻度の低い他部位のリレーと交換するようなことは絶対にしません。それは、古いリレーをだましだまし使うことが早晩サービスに支障を及ぼすことが分かっているためです。

従って、リレーは新品にするのが唯一の正解です。

Dsc07772

↑高い透明度の新品リレー5個。右側は-200V電源用の新品CEWケミコンです。

3点目は終段電源整流用ブリッジの交換です。

この整流用ブリッジは割と丈夫だと思いますが、過去に1度だけ不良がありました。

今回は最新のパナソニックの最新のケミコンに交換しましたが、従来のものより高性能であり突入電流もこれまでより大きくなると思われます。

したがって、オリジナルでは400V25Aのものが使用されていますが、お友達から譲って頂いた容量の大きい600V35Aのものを使用しています。

Photo

終段ケミコン、-200V電源用ケミコン、スピーカリレー、整流ブリッジ、電源スイッチ回路で交換した部品は以下の写真の通りです。合計19個です。全て新品に交換しています。

Sw

2010年3月 1日 (月)

レストア日記2009 2SK77ユニットの整備

B-Iの心臓部であるこのユニットには2SK77という大きな静電誘導トランジスタ(SIT)実装されています。

YAMAHAの星十郎氏によると、B-Iのプロトタイプ発表の際の無線と実験誌の記事において、「終段をシングルプッシュプルで150Wを得る設計となっており、これはパワーFETの設計に入るときからの基本的考え。また、純コンプリメンタリ回路方式も採用しない」と述べられています。

そう考えた理由を、次のように述べられています。

noteパラにするとトランジスタの諸特性が良く合っていないとアイドル電流のアンバランスや歪などの点で不利になる場合が多い。

noteFETは原理上トランジスタに比べてアイドリングのバランスをとることが困難で、特に終段は複雑なインピーダンス変化を示すスピーカを直接駆動するところで音質に微妙に影響する。

noteN-chとP-chのFETを使用した純コンプリメンタリ回路を採用した場合、入力容量や出力特性、伝達特性などのあらゆる特性を全ての動作条件で良く合わせることは現時点で困難。

noteN-ch同士でも2個ペアで厳密に選ぶことは困難なのに2個以上4個5個と揃えるのはどんなに大変なことか。

note素材の対称性、回路の対称性を最重視して各増幅段を構成した。

誠に極めて素晴らしい考え方で、それが35年も前に考えられ商品化されていたことに驚嘆いたします。

また、驚かされるのは、上記の通りB-Iの仕様が先に決められ、それに合わせて終段の素子の設計・開発が行われていることで、今では考えられないことですね。sign03 今同じことをやったら1台あたり数百万円のアンプになるでしょう。

ついつい、横道にそれてしまいました。

このユニットの2SK77は残念ながら片チャンネルの2個が焼損してましたので交換しました。電源基板のバイポーラトランジスタの焼損が引き金となったようです。

正常な方も一旦全てを取り外してシリコングリスを塗布して再取り付けします。

2sk77

2sk77_2

それぞれの写真の上段が整備前、下段が整備後です。写真のとおり、整備前は毛布を被ったように綿ホコリが付着してます。これでは十分な放熱が出来ません。しかし、長年整備していない普通のB-Iのほとんどはこのような状態です。

また、シリコングリスは固化してしまっており、触るとポロポロと落ちてしまいます。放熱性能は極めて低下していたものと思われます。バイポーラトランジスタだと熱暴走してすぐに昇天してしまうかも。SITは原理的に熱暴走しない点もいいですね。

ついでに高耐圧のセラミックコン、抵抗器も交換しました。